量子コンピュータの記事を初めて目にしたのは2000年から2001年にかけてです。表記法もさることながら、重ね合わせの状態でどのように計算してどう結果を導くのかイメージさえできませんでした。「理解不能の世界」として忘れていました。
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2019年10月、グーグルの量子コンピュータによる「量子超越性」の実証について、一般的な新聞でもニュースになったので、再び興味を引かれました。
「量子超越性」という言葉に惹かれて、「量子コンピュータ」をキーワードとして動画検索しました。
いきなり本を買ってきたり、ウィキペディアで検索しないのがミソです。
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「おぉ、これは」と思える2つの動画を見つけました。
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ひとつは、慶應義塾大学理工学部矢上キャンパスが発信している動画でシリーズの中の丁度中間点「量子コンピュータ授業 #8 量子コンピュータの歴史」です。
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これは理論の解説ではありません。「重ね合わせの状態でどのように計算してどう結果を導くのか」の歴史的道筋を説明してくれています。
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話が「マックスウェルの悪魔」から始まるので、量子コンピュータと関係あるのか?との疑問符で聞いていたのですが、実は大ありなんですね。
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量子現象の解釈に「コペンハーゲン解釈」というのがあります。 量子現象は確率現象だというのです。 ではいつ確定するのか?。 観測したとたんにそこら中に広がっていた確率の波が瞬時に実態になるというのです。 そんな解釈はありですか? 現代物理学ではありになっています。
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コペンハーゲン解釈が唯一の解釈ではないのですが、他のいろいろな解釈は超少数派だということです。 そのひとつに「多世界解釈」というのがあります。
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確率の波が瞬時に収束するという解釈は、世界はひとつだからという前提があります。 多世界解釈では確率の波は収束しません。 すべての確率の世界が同時進行していて、我われは残念ながらそのうちの一つしか経験できない構造になっているだけだというのです。
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この多世界解釈を証明するために量子コンピュータにつながる(本人は意識していなかったが)論文を書いたというのです。
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難しい計算は多世界と分業(並列計算)して最後に相互に干渉させて正解を導き出す、という発想です。「重ね合わせ」=「多世界との分業」、という発想はとても気に入りました。
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もうひとつは、現役大学院生が作成した6回シリーズの動画で、ちなみに第1回は「【量子コンピュータ】第1回「量子ビットと重ね合わせ」(10分)」です。
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理論は難しいけど視覚的に理解しようとしたのが後者の「【量子コンピュータ】第1回「量子ビットと重ね合わせ」(10分)」とそれに続く6回シリーズです。見てる分には面白いです。 分からないものをなんとか譬えで理解しようとする試みに共感を得ます。
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以上が「量子ゲート方式」による量子コンピュータの実現は話なのですが、もうひとつの実現方法として「量子アニーリング方式」があります。
「「次世代コンピュータが実現する革新的ビジネス」⑤基調講演1 東京工業大学 西森秀稔氏」
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アニーリングというのは鋼の熱処理のひとつ「焼きなまし」のことです。
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量子と焼きなましの関係とは?
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これは物理過程のアナロジーで名づけられたと思われます。
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鋼の完全焼きなましは内部に歪がまったくない状態になるので、そのアナロジーとして量子過程を経て基底状態(エネルギーが最低の状態)に到る際に量子計算をしてしまうのではなかろうかと思います。(理解不十分のまま語っているのはご勘弁ください)
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「量子ゲート方式」と「量子アニーリング方式」の特性に応じた量子コンピュータの今後の発展を期待してしまいます。
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★おまけ
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【量子コンピュータ】第3回「量子ビットのルールと1Qbitユニタリ変換」(8分)
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【量子コンピュータ】第4回「量子エンタングルメントと制御NOTゲート」(5分)
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【量子コンピュータ】第5回「新カード紹介」 (量子暗号と量子テレポーテーションの下準備)
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【量子コンピュータ】第6回「グローバーの量子探索アルゴリズムと量子計算の限界」(13分+おまけ1分)
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ワードプレスはあまり考えずにバージョンアップすると、記事作成画面がブロックエディターになります。世界的にブロックエディターが望まれたので、こうなったと思っていました。多分それは正しい理解だと思います。しかいとても使い辛いエディターです。
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