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Digital Apollo

アポロ11号の月着陸船イーグルを駆るアームストロング船長は、誘導コンピュータが発するアラームに気を取られているうちに当初の着陸地点を通り過ぎてしまったこと、またその後にコンピュータが示した着陸予定地点には大きな岩が点在し着陸するには不適と判断したことから、コンピュータによる自動着陸は無理と判断して手動に切り替え、ギリギリのところで月面への着陸を成功させました。

 

この月着陸船の誘導コンピュータが発したアラームをめぐる謎はいくつかあるのですが、それなりの解釈をされて今に至っています。

 

ただその解釈も腑に落ちるようなものとは思えず、納得のいく真実なり物語なりがないのだろうかと思っていました。

 

アポロ宇宙船に搭載されていたコンピュータについて書かれている書籍「Digital Apollo」の翻訳版があることを発見したのですが、この際原典に挑戦しようと思い立ち、原書を購入した次第です。

 

359ページ全部英語です(あたりまえだけど)。

 

本のカバーの裏に載っている文章を抜粋して訳してみました。

 

Apollo 11's Lunar Module descended  automatic control, a program alarm in the guidance software nearly caused a mission abort. Neil responded by switching off the automatic mode taking direct control. He stopped monitoring the com- and began flying the spacecraft, relying on skill land it and earning praise for a triumph of human over .

 

In Digital Apollo, engineer-historian David Mindell this famous moment as a starting point for an exploration of the relationship between humans and computers the Apollo program. In each of the six Apollo landings, astronaut in command seized control from the computer landed with his hand on the stick. Mindell recounts story of astronauts' desire to control their spacecraft in with the history of the Apollo Guidance Computer. the early days of aviation through the birth of space- , test pilots and astronauts sought to be more than Spam in a can" despite the automatic controls, digital , and software developed by engineers. Digital examines the design and execution of each of the Apollo moon landings, drawing on transcripts and data from the flights, astronaut interviews, and NASA's extensive archives.

 

アポロ11号の月着陸船が自動制御のもと降下している最中、誘導ソフトウェアのプログラムアラームが発生し、ミッション中止の危機に陥った。ニール・アームストロングは自動モードを解除し、直接操縦を行った。彼はコンピューターの監視をやめ、宇宙船の操縦を開始し、自らの技術を頼りに着陸を成功させ、人間が機械を超えた勝利として称賛を受けた。  

 

『デジタル・アポロ』の中で、エンジニアであり歴史家でもあるデイヴィッド・ミンデルは、この有名な瞬間を出発点として、アポロ計画における人間とコンピューターの関係を探求している。6回のアポロ月面着陸のうち、いずれのミッションでも指揮を執る宇宙飛行士がコンピューターから操縦を引き継ぎ、自らの手で着陸を成功させた。ミンデルは、宇宙飛行士たちが宇宙船を自ら操縦したいと望んだ背景を、アポロ誘導コンピューターの歴史とともに語る。  

航空の黎明期から宇宙開発の誕生に至るまで、テストパイロットや宇宙飛行士たちは、自動制御やデジタルシステム、ソフトウェアが発達する中でも、「缶詰の中のスパム(受動的な存在)」であることを拒み、自らの意思で操縦することを求め続けた。『デジタル・アポロ』では、各アポロ月面着陸の設計と実行を詳細に分析し、フライトの記録やデータ、宇宙飛行士のインタビュー、NASAの膨大なアーカイブをもとにその実態を描き出している。

 

これ以上は、個人利用に限定し公開しません。

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