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系外惑星

系外惑星の系外とは、太陽系以外の別の恒星系ということで、そこに属する惑星を系外惑星というのです

 

夜空を見上げれば、見えるのはみな恒星です。自ら光を発しない惑星は発見がとても困難でした。太陽系内の惑星ですら冥王星(今では準惑星に格落ちされてしまいましたが)のさらに外側に惑星が存在するのか確定されていません。

 

それほど難しい惑星探しを、光の速度をもってしても何年もかかるような遥か遠くの、いや何百光年、何千万光年という途方もない彼方の恒星を周回する惑星をみつけるなど不可能と考えられていました。ところが観測技術は予想を超えて進化して、系外惑星発見ラッシュの時代になっています。

 

恒星を周回する惑星が発見されて、次に皆が関心を寄せるのが、その惑星は生命生存可能な環境にあるのか、ということです。恒星の発するエネルギーをほどよく受け取るためには、ほどよくその恒星から離れていなければなりません。

 

近すぎてもだダメ、遠すぎてもダメなのです。ほどよい距離をハビタブルゾーンというそうです。水が、液体で存在できる適温に惑星があることが重要なのだそうです。あくまでも、炭素を主体とする生命を見つけたいみたいです。しかし、生命とは何か、という定義をしったり確立すれば、炭素主体ばかりのものが生命とはいえなくなるかもしれません。

 

ケンタウルス座α星は地球から約4.3光年の距離にある、太陽系にもっとも近い恒星です。この星は、実はひとつの星ではなく、みっつの星からなる三重連星系だそうです。α星Aとα星Bそしてα星Cからなり、AとBはほぼ太陽と同じ大きさですが、Cは太陽の十分の一程度の直径の赤色矮星で、別名プロキシマ・ケンタウリと呼ばれています。このプロキシマ・ケンタウリに惑星が見つかったというのが最近のホットな話題です。

 

太陽系にもっとも近いといっても、光の速度で4.3年もかかるのですから、半端な距離ではありません。そんな遠いところの恒星の挙動を観測して、惑星の存在を確定し、その質量や軌道まで計算してしまうのですからたいしたものです。

 

赤色矮星を回る惑星

 

赤色矮星は宇宙ではありふれた恒星で、全体の4分の3は赤色矮星だといわれています。その大きさは、太陽の10分の1程度で木星よりもほんの少し大きい程度のようです。【太陽系形成の初期に木星はもうほんのちょっと頑張って質量を稼いでいたら赤色矮星になっていたかもしれない?】

 

太陽系から39光年離れたところに存在するトラピスト1という赤色矮星を7つの岩石惑星が回っていることが分かったそうです。そのうち3個はハビタブルゾーンにあるらしく、生命の存在する可能性もあるとのことです。

 

系外惑星の発見について赤色矮星に惑星が見つかったことで、太陽のような恒星が持つ惑星よりも赤色矮星矮星が持つ惑星系の方が一般的ではないのかというコメントが天文学者から発せられいますが、それは単に系外惑星を発見技術がまだまだ未熟なだけではないのかと思うのです。

 

系外惑星発見の初期から太陽型の恒星を周回するのはホットジュピターと呼ばれる巨大ガス惑星か巨大なスーパーアースでした。これは現在の観測技術では太陽型の恒星に地球大の惑星を見つけるのは非常にむずかしいということを意味しています

 

トラピスト1の惑星と時間

赤色矮星トラピスト1を周回する7つの岩石惑星の公転軌道は、太陽系における水星の公転軌道よりも内側にあります。このぐらい赤色矮星に近いところを回っていると潮汐ロック現象を起こして、地球における月のように、常に同じ面を赤色矮星に晒すことになります。公転周期は地球時間の1.5日~20日ということですので、自転周期もこの1.5日~20日ということになります。

 

おのおのの惑星には、常に赤色矮星が頭上に輝く超絶に暑い地域と、夜が永遠に続く超絶に寒い地域と、そしてその中間の地域「トワイライトゾーン」が存在します。超絶熱帯地域とトワイライトゾーンでは赤色矮星は空の一点に永遠に留まり続けるのです。時間の経過に係る節目を体感できません。そして夜の地域は動く星空を永遠に見続けるのです。知的生命体がトワイライトゾーンに誕生しているとすると、夜の世界を探検してはじめて空が動いていることを発見するでしょう。そしてある周期で同じ星空が繰り返し現れるのを観測するのです。

 

もしこの惑星が衛星を持っていたら、夜の地域を探検する以前に、時間に係る認識を獲得しているかもしれません。地球では夕方に月が見えるように、トワイライトゾーンでも惑星を周回する衛星が見えて、その満ち欠けが観測できるかもしれません。また、この衛星の引力により潮の満ち引きが観測されて、それがまた時間の認識に寄与しているかもしれません。
さらに、知的生命体はこの衛星に憧れて詩や歌を作るかもしれません。科学技術を発達させて衛星について研究し、宇宙空間でも飛行ができる乗り物を発明してこの衛星への往復旅行を企てるかもしれません。

 

空想(妄想)はどこまでも広がります。

 

惑星に生命が誕生する条件とは

 

地球に生命が存在する条件(思いつくまま)を羅列して見ます。それを赤色矮星の惑星に成立しているかどうかについて考察してみます。

 

1 地球には磁場があるため太陽からの高速荷電粒子を絡め取ってオーロラに変換します。地球の大気を太陽風で剥ぎ取られるのを防いでいます。

2 地球にはオゾン層があって地上の生命の遺伝子を紫外線による破壊から守っています。

 

3 プレートテクトニクスによって空中の二酸化炭素や海中の重金属を地殻内に固定して海の浄化をしています。

 

オゾン層は酸素が空中に放出されてはじめて生成されるのですが、そもそも酸素は初期生命にとっては老廃物で、しかも有害な物質です。酸素って生命にとって矛盾した物質ですね。

その生物も海の浄化ではじめて生きていけるようになるわけです。
酸素を活用して活動する生命を期待するには、惑星がハビタブルゾーンにあって惑星上に水がある、というだけでは無理がありそうです。

 

惑星が磁場を持つにはドロドロに溶けた金属の核を持っている必要があります。そして金属流体として惑星内部を動くことが必要です。潮汐ロックを起こしている惑星内部で液体金属は動けるのでしょうか?

 

プレートテクトニクスが駆動する条件がイマイチ分からないのですが、同じ大きさの金星に無くて地球にあることを考えると長期的に海が存在することが必要条件なのかもしれません。

 

酸素を呼吸する生命を期待するなら、こんな条件をクリアする必要があるのではないのかと思います。

地球そして生命の誕生と進化 【完成版】

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