2022年5月12日に、私たちが所属する天の川銀河の中心にあるとされているブラックホール「いて座A*(いてざエースター)」の撮影に成功したとの発表がありました。撮影したというのは比喩で、電波望遠鏡で取得した膨大な電磁波データを解析処理することで得られた画像というのが真実に近い表現です。しかも単一の望遠鏡ではなく、地球規模に点在する複数の電波望遠鏡を同時に使用するというミラクルな技を駆使して実現されたものです。
ブラックホールの撮影といえば、2019年4月10日に撮影画像が公開された楕円銀河「M87(メシエ 87)」の中心に位置する超大質量ブラックホール「M87*」が記憶に新しいところです。この画像は人類史上初めてブラックホールがこの宇宙に確実に存在することを示した画期的な画像です。
であるならば、2番目の「いて座A*」が撮影された意義はどこにあるのでしょうか?
何をおっしゃいますか。大あり(だそう)です。
私たちが住む天の川銀河に存在する超巨大ブラックホールの姿が明らかになったことです。
それまでは「いて座A*」の周囲を移動する恒星の動きからコンパクトな領域に太陽質量の400万倍の質量が集中していることが観測されていました。
この観測結果から銀河中心に超巨大ブラックホールの存在が確実視されました。そしてこの研究に2020年度のノーベル物理学賞が与えられました。それでもそれは間接証拠だったのです。
今回の画像は、直接証拠が提示されて超巨大ブラックホール存在が確定したのでした。
ここでひとつの疑問が起こります。
地球から銀河中心の「いて座A*」までの距離(約2万7000光年)の方が、「M87*」までの距離(約5500万光年)よりも近いのになぜ撮影されたのが2番目なのか、ということです。
近いほうが撮影しやすそうだと素人的には思うのですが、どうなんでしょうか。
「いて座A*もM87巨大ブラックホールも周りにあるガスはほとんど光速に近い同じ速度で運動します。しかし、大きなM87ブラックホールの周囲をガスが一周するには数日から数週間を必要とするのに対し、遥かに小さないて座A*ではわずか数分しかかかりません。これはいて座A*周囲のガスの明るさや模様が、EHTが観測している最中に激しく変化することを意味しています。それはまるで、自分の尻尾を素早く追いかける子犬の鮮明な写真を撮ろうとするようなものです」(大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 国立天文台HPhttps://www.nao.ac.jp/news/science/2022/20220512-eht.htmlから抜粋)
因みにM87巨大ブラックホールの質量は太陽の65億倍です。いて座A*の1600倍の質量を持っている怪物です。
このような困難を乗り越えて撮影に成功したいて座A*です。そして、
「『日本が国際協力の下で運用に参加しているアルマ望遠鏡は、EHTの要となる観測局として天の川銀河の巨大ブラックホールの撮影において重要な役割を果たしました』と話すのは、いて座A*のデータ較正(こうせい)と画像化チームの双方を主導した秋山和徳氏(マサチューセッツ工科大学ヘイスタック観測所リサーチサイエンティスト)です。」(大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 国立天文台HPhttps://www.nao.ac.jp/news/science/2022/20220512-eht.htmlから抜粋)
を読むとうれしくなってしまいます。
天の川銀河中心の巨大ブラックホール「いて座A*」の直接撮影に成功!
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2022年5月12日に、私たちが所属する天の川銀河の中心にあるとされているブラックホール「いて座A*(いてざエースター)」の撮影に成功したとの発表がありました。
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