アポロ11号の月面着陸から50年の節目の年に、月を目指していた時代の記録映像を放映する番組を頻繁に目にするようになりました。
映画「アポロ13号」のNHKBSでの放映、同じく「アポロ13号」のNETFLIXでの登場、NETFLIXでの「アポロ管制センターの英雄たち」の放映、NHKBSのコズミックフロントネクストではアポロ8号が取り上げられ、NHKBSのザ・プロファイラーではアポロ11号の船長ニールアームストロングの人生に焦点があてられていました。
動画を見るときは、「会話は英語、字幕は日本語」にしています。
NETFLIX版「アポロ13号」を見て、次にBS版「アポロ13号」を見たとき、字幕で「ん?」というところが1か所ありました。
翻訳者が違うのですから言い回しは少しづつ違うのは当たり前です。そうなのですが、他のところは気にならないのに、そこの箇所はひっかかったのです。
BS版アポロ13号:「宇宙船の利点は?」
NETFLIX版アポロ13号:「肯定的な要素は?」
【宇宙船の利点】とは何なのだろうか?という疑問が生じたわけです。
NETFLIX「アポロ管制センターの英雄たち」にも同じ場面があったので、どのような日本語になってるのか見てみました。:「何が無事だと思う?」
これは、原文(英文)を見て比較してみる必要があります。
幸い、NETFLIXは字幕を様々な国の言語に変えられるので、「字幕:英語」にして確認してみました。
アポロ13号「what do we got on the spacecraft that’s good?」
アポロ管制センターの英雄たち「what do you think we’ve got in the space craft that’s good?」
ほとんど同じ英文なのに字幕は「宇宙船の利点は?」「肯定的な要素は?」「何が無事だと思う?」に分かれていきます。
映画の字幕は字数が制限されるので、一般的な本の翻訳とは異なるテクニックが必要なのかもしれません。
この「what do you think we’ve got in the space craft that’s good?」が発せられる前に【首席管制官の】ジーン・クランツは、何と言っていたのか。そこからの流れも含めて探ってみます。
アポロ13号:
「Can we review our status here, Sy? Let's look at this thing from stand point of status.
What do we got on the spacecraft that's good?」
→NETFLIX版
「【電力・環境担当官の】サイ、ここでいったん状況を整理してくれないか。
肯定的な要素は?」
→BS版
「状況をもう一度見直してくれ、あらゆる角度から。
宇宙船の利点は?」
アポロ管制センター:
「Can we review our status here,Sy, and see what we’ve got from a standpoint of status?
What do you think we’ve got in the spacecraft that’s good?」
「ステータスを見直して何か分かるか?
何が無事だと思う?」
この場面は、アポロ13号の機械船の爆発により燃料電池が壊滅的な打撃を受け、月着陸の任務をあきらめるどころか宇宙飛行士の命も危うい状況が発生して、ジーンのもとに絶望的な情報が次々と報告されている最中なのです。
となると、何か希望を見いだせる情報はないのか?という気持ちで発せられた言葉ではないでしょうか?
これを踏まえると、最適字幕は「肯定的な要素は?」、次に「何が無事だと思う?」、そして「宇宙船の利点は?」だと思うのです。
同じカテゴリー「地球~銀河~宇宙」の一覧
2022年5月12日に、私たちが所属する天の川銀河の中心にあるとされているブラックホール「いて座A*(いてざエースター)」の撮影に成功したとの発表がありました。
米国東部時間1969年7月20日午後4時18分、日本時間1969年7月21日午前5時18分にアポロ11号の月着陸船イーグルは静の海に着陸しました。
人気記事ランキング
アポロ13号は本来の任務は達成できなかったので失敗です。しかし、宇宙飛行士の生命の危機を克服して、月の周回軌道から無事に地球に帰還させたあらゆる行動は、人類の至宝としていつまでも語り継いでいかなくてはならないものだと思います。