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電子印鑑

日本はハンコの社会。

 

まず、ハンコ周りの用語を正しくつかっていますか?というハナシです。

 

よく「㊞のところに印鑑を押してください」といいます。
ハンコに朱肉をつけて㊞の上から押して朱色のハンコの跡(印影といいます)を紙などの上につける行為の意味で使っています?
まどろっこしい言い方ですが、この場合の「印鑑」の使い方は間違いです、といっています。

「㊞のところに印章(ハンコと同じ意味です)を押してください」が正しい使い方です。
同様に「明日使いますので印鑑を持ってきてください」は誤りで、「明日使いますのでハンコを持ってきてください」が正しい表現です。

 

印鑑の正体は何か?
銀行や役場に、銀行印や実印として登録した印影のことを印鑑と言います。
役場にハンコは登録できないけれど、印鑑は登録できるのです。

 

まとめると
印章:ハンコそのもの。3次元の実体。
印影:印章を紙に押したときの朱肉の跡。2次元。
印鑑:実印や銀行印として登録された印章の印影。2次元で登録によりセキュリティを高めたもの。

 

この流れで行くと、電子印鑑とは?と追求したくなりますね。

まず「電子」の部分ですが、パソコンの中のデータとの意味で用いていると思われます。
次に「印鑑」ですが、データとしての「印影」を指していて、このデータが実印や銀行印として登録されていることと解釈できます。

 

役所や銀行がデータとしての印影を登録するサービスはまだ提供していないはず。であれば、民間レベルでセキュリティを高めた印影データを提供していることを便宜的に電子印鑑と呼んでいるのでは。
なので「電子印鑑 ウィキペディア」で検索してWikipediaで調べようとしたのですが、「電子印鑑」の項目はないらしく、「印章 - Wikipedia」と「電子署名 - Wikipedia」しか検索結果に出てきませんでした。

 

「文書の電子化に伴い、署名の分野では2000年の電子署名法の施行により電子署名が登場しているのに対し、印章の分野では印影の画像を電子文書に添付する機能を有する電子印鑑(デジタル印)が登場している。」(Wikipedia「印章」から抜粋 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%B0%E7%AB%A0

 

セキュリティを高めた印影データを意味するものも電子印鑑と、インターネット上で無料で作れて全くセキュリティの無いものも電子印鑑と呼んでいます。
ディジタルの分野では発展途上なので、明確な定義はこれからなのかもしれません。

 

世の中のものはディジタル化したとたんコピーされ放題なのは周知の事実です。そうならないためにセキュリティ対策に四苦八苦しているのです。そのような中での無料の電子印鑑って使い道あるのでしょうか?

 

既に公に開示されている情報の部内確認に活用する程度、いわゆる回覧文書の確認印、既読マーク程度なら使えるでしょう。
しかし部内でも稟議書になると使えないでしょう。誰も見てないのに決裁される危険があります。

 

電子印鑑に必要なセキュリティとは?
改ざんや複製による不正利用に対するセキュリティ確保のことで、以下はShachihata Cloudのサイトからの抜粋です。(https://dstmp.shachihata.co.jp/column/11200306/

 

「■本人性の担保
Shachihata Cloudでは、二要素認証※2を採用しています。ログイン時のユーザ認証として通常使用するID/パスワード認証に加え、パスコード認証またはQRコード※3認証のどちらかを選択することで複合的に本人認証を実行することができ、本人性の担保を向上させます。その他、IPアドレス制限やSAML認証(有償)のオプションも用意されています。

※2 有償オプションにてご利用いただけます。
※3 QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

 

■原本性の確保
また、改ざん防止機能として、電子署名(公開鍵暗号方式)※4を搭載しています。さらに、有償オプションによりタイムスタンプの付与もでき、書類の存在証明と署名後の変更確認処理を行いながら書類の承認を実施できます。

※4 有償オプションにてご利用いただけます。

 

■見読性の確保
承認後の文書ファイルは必要に応じてPDFファイルでの保存や、紙に出力することができます。それにより明瞭かつ整然とした形で閲覧することができます。」

 

Shachihata Cloudを利用するだけでも有料なのに、有償オプションでさらにお金がかかりますね。しかしディジタルの世界で安全性を保障しようとしたら、何重にもセキュリティをかけないと怖いです。
一瞬で世界中に情報が洩れる世界、単にハンコを電子化しただけ、と侮ってはいけない世界です。

 

次に、ハンコに使われる書体について調べてみました。

ハンコに使われる書体は、篆書体(てんしょたい)、印相体(いんそうたい)、古印体(こいんたい)、楷書体(かいしょたい)、隷書体(れいしょたい)、行書体(ぎょうしょたい)などがあります。

 

無料で電子印鑑が作れますが、扱える書体はMS-IMEにあるフォントのみなので、楷書体、行書体、隷書体までしか使えません。
篆書体、印相体、古印体で作ろうとしたら有料になります。一番需要がある書体は無料では作れないというのは当然と言えば当然なのですね。

 

さて、はんこ屋さんがおススメの書体とは?とググると、
ハンコヤドットコムでは

個人用
 実印:篆書体、印相体
 銀行印:印相体
 認印:古印体、隷書体
 角印:篆書体

法人用
 法人印:篆書体
 実印:篆書体、印相体
 銀行印:篆書体、印相体
 角印:篆書体、印相体

をお勧めしています。なおハンコヤドットコムでは印相体は吉相体と呼称しています。

ハンコヤドットコムでも電子印鑑を作れるのですが、あくまで印影を販売するのみでセキュリティについては扱っていません。実印用や銀行印用のハンコは作るが登録は購入する本人が行うように、購入した電子印鑑のセキュリティ対策は購入者自身が責任もってください、ということです。

 

印鑑の匠ドットコムの印影プレビューを用いて、それぞれの書体を使った印鑑の印影をイメージしてみます。
仮に、個人は「猿蟹合戦」、法人は「強欲資本主義株式会社之印」とします。

認印「猿蟹」古印体

 

銀行印「猿蟹」印相体

 

実印「猿蟹合戦」印相体

 

角印「強欲資本主義株式会社之印」篆書体

 

「電子印鑑 フリー」で検索するといくつか検索結果で出てきますが、そのうちの「おまかせ電子印鑑free」で電子印鑑を作ってみます。書体は隷書体を使いました。

電子印鑑「猿紙」隷書体

 

電子印鑑「強欲資本主義株式会社之印」隷書体

 

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